車は山のほうへずんずんと高度を上げていく。そして、田沢湖高原温泉郷を過ぎると、森の中に入っていく。そしてしばらくすると、休暇村田沢湖高原が見えてきた。
乳頭温泉には7,8件の宿があるが、いずれも一軒宿でそれぞれの温泉宿が独立しているので、あたりは何もない。
まずは、蟹場温泉へ行くことにする。

蟹場温泉は乳頭温泉郷の最奥部にある温泉。混浴の露天風呂が名物だ。
今回は、あまり時間がないので、内湯へは行かず、建物からかなり離れたところにある露天風呂のみ入湯することにする。いったん建物に入り、そして裏口のような場所から外へ。傘をさしながら美しい雑木林の中の遊歩道を下りていくと露天風呂はあった。ここは混浴なのだが、木造で、提灯がかかった鄙びた感じの脱衣所は男女別に分かれている。人は誰もいなかった。
この露天風呂は、とても開放的なのだが、周囲一面雑木林に囲まれていて、脱衣所以外の建物は全く見えず、本当に森の中の露天風呂といったたたずまいだ。
湯船は岩組みでできており、野趣溢れている。極端に大きな湯船ではないが、決して小さくはない。ここに、ホースで引湯した源泉掛け流しのお湯が注がれている。乳頭温泉ということで、その名前から、白濁したお湯を想像していたのだが、お湯は透明に近く、硫化水素臭がする。そして、まるで湯葉のような大きな湯の華が舞っている。
とても静かで、リラックスできる風呂だった。