続いて、八幡平方面へ向かべく、何もない道を走っていく。そして大沼という沼沿いのドライブインで昼食。昼食後、湖を周遊する散策路を歩こうと思っていたのだが、雨が降ってきた。小雨なので傘をさして強行もできなくはないが、雨天では景色も楽しめそうにないので、車へ戻ってプランを練り直す。そして、このあとも温泉めぐりを続けることを決める。今回の旅行は、雨続きなので温泉に入ってばかりだ。いい温泉がないかと、八幡平アスピーテラインを上っていく。
走り続け、高度を上げていくと、先ほどまでの雨もやんだ。下のほうも晴れているのならば、戻って散策路へ行こうかとも思ったが、妻が「下はまだ雨かもよ」と言うので、そのまま走り続けると、蒸けの湯という温泉を見つけたので入ることにする。

蒸けの湯は、アスピーテラインから1kmほど外れたところにある。車を進めていくと、広い駐車場に出る。車が1台も止まっていなかったので不気味に感じたが、よくよく見ると、さらに少しだけ進む道がある。その道を進んでいくと建物があった。だが、建物はまるで廃墟のようだ。もしかしたら廃墟になっていてだから車が停まっていないのでは?と思ったが、「入口は裏手です」という看板を見て裏手に回ると、何台かの車が停まっていた。我々も、その駐車場に車を停め、建物に入ってみる。すると、ちゃんと受付があり、全く普通に営業しているようだった。料金を支払い、さらに奥にある露天風呂のほうへ徒歩で向かう。
この温泉は、「蒸の湯」と書いて、ふけの湯と読むのだが、IMEによると「蒸ける」とは蒸気で熱が通るという意味らしい。その言葉どおり、蒸けの湯は蒸気がむんむんと立ち込めている温泉だ。
目の前に見える景色は、まさに地獄。どこに温泉があるのかわからないような荒涼とした景色だ。数10歩進むと左手に混浴の露天風呂が見え、そしてすぐ右には女性専用露天風呂が、その奥に男性用の露天風呂がある。
大地の中に温泉がポツリとある雰囲気は、野趣度が高いというかワイルドというか、まさに秘湯という感じがたっぷりである。これまでに入った温泉の中でも、秘湯度はかなり高い部類に入るのではなかろうか?
まずは最奥の男性用露天風呂へ行く。どこまでも延々と広がる広大な大地の中にぽつんとある露天風呂は、自然の偉大さを感じさせる。小さめの木製の四角い湯船にはどくどくと新鮮なお湯が流れてきている。まさに湧きたての温泉という感じだ。お湯は若干濁った灰色で、多少泥っぽく、透明度は低い。
続いては、誰もいない混浴の露天風呂へ。脱衣所は、ちゃんと男女別に分かれている。

浴槽は階段状に2つ分かれているのだが、湯口に近い浴槽のほうは、熱過ぎて入ることができない。もう一方の浴槽は上のほうは熱いが、下のほうはぬるすぎるという困った代物。少しだけ入って出ることにする。
それにしても景色がすばらしい。まさに大地中の風呂といったイメージそのものだ。はるか遠くに、今まで歩いてきた園路があり、そこに人がいるのだが、かなり遠いので気にならない。
とにかく、ワイルドさという面では特筆ものの温泉だった。