事前にちゃんと調べておいたので、露天風呂は簡単に見つけることができた。砂浜と松林の間のくぼ地のようなところに、猛烈にお湯が注ぎこまれているのがそれだ。ちょっとわかりにくい場所なので、下調べがなければ広いこの海岸のなかからこの露天風呂を探し出すのはちょっと難しいかもしれない。
さすがに初冬の日本海だけあって、人はほとんどいない。拭きさらす風はとても冷たく、脱衣所もない海岸線で服を脱ぐのはかなり躊躇われたが、湯船に手を入れると意外と暖かかったので、さっと服を脱ぎ、一目散に飛び込んだ。

写真: 琴引浜・露天風呂
お湯はまさに適温。目の前には砂浜と荒れた日本海が迫り絶景だ。海沿いの温泉の中では、今まで入った温泉の中でもかなりワイルドな部類に入る。
今は冬なので人は誰もいないが、夏ならば、海水浴客で賑わうに違いない。琴引浜鳴き砂文化館の人も水着必須だと言っていた。
お湯は無色透明。海沿いの温泉だが、特に塩気も感じない。ゆっくりと浸かっていたら、遠くのほうから人がやってきたのであがった。その人たちは、大きなカメラを持っていた。もしかしたら雑誌か何かの撮影なのかもしれない。
風呂から出ると、冷たい風が容赦なく体に吹き付ける。あわてて服を着る。そして海岸沿いを少しだけ散歩。ここは鳴き砂なのだが音はしない。鳴き砂は冬は鳴らないのだそうだ。だが、冬期に荒波で砂が現れ春になるとまた音が鳴るようになるというのだから不思議だ。